日別アーカイブ:2013年04月24日

東京・荻窪の6次元での朗読会にゲストとして来ていただいた一青窈さんと
再会したのはもう二年近く前となります。
詩を見せていただき、また会って詩を見せていただき、
どんどんと見せていただき、ついには、まだ学生の頃からのここ十年以上書き溜められていた
詩のほとんどを見せていただきました。
昔の詩だけではあきたらなくなり、ときには、昨日できた詩やさっきできた詩を、一青さんの携帯のメールから、送ってもらうこともありました。
こうしてずいぶんと読んで気付いたことは、どうやら私たちはこの新たな詩人の詩を
一冊の詩集にしたいのだということでした。

ずばり今回の詩集は、恋の詩です。
十代のころ、二十代のころ、そしていま三十代の一青さんが感じてきた、淡い、切ない、
それだけじゃないもっとドロっとしたものもなにもかも、ここまで書いて大丈夫なのかなと思うものだってあります。
もちろん、詩のなかの「私」は一青さんでもあるしまったくの別人でもあります。
そして詩のなかの「私」が原稿を読む「私たち」でもあることを発見したとき、
こんなにもホクホクしてヒリヒリしながら読んでいることの理由がわかったのです。

ここには、恋の楽しさについて、愛の辛さについて、人を信じることについて、裏切ることについて、ふいにだれかを思い出す瞬間について、描かれています。
うんうん分かるなーって頷きあったり、一緒に泣いちゃったり、「このこ、大丈夫かな」ってはらはらしたり、大事なときにそばにいてくれる友達のような本なのです。

装丁は人気デザイナーの名久井直子さんです。
ある日、ああでもこうでもない、本に合う装画を考え煮詰まっていたとき、
それは名久井さんのひとことで決まったのです。
「一青さんの子どもの頃の絵がいいんじゃないかな」。
そういったわけで、
今回のこの素敵なイラストは小さい頃の「窈ちゃん」の作品です。
恋に忙しい女の子を無邪気に優しく包んでくれる、いちばん無垢で素敵な装丁となりました。

 

ここからがみなさんにお願いです。
一青さんにとってこれがはじめての詩集です。

つまり一青さんは、「詩人」としては無名の存在です。
定番や名作ではない新しい詩集、そして新しい詩人の本を多くの方に届けるのは
想像以上にとても大変なことです。

今回、発売の1か月以上前に、私たちは限定特別版を先行発売することにしました。
それは最初の読者となるみなさんの力をお借りしたかったからです。
本と一緒に感想をしたためる用紙を同封いたしました。
この本へ感想をお送りください。思いをどんどんと届けてほしいのです。

どんな小さな言葉でも本の力となります。
ぜひご協力ください。

5月20日までの期日はあるのですが、それまでに注文いただいた方の中から、
 一青さんが直筆で10名の方にお返事を書いてくださいます。

ながながとすみません。
みなさんと一緒に、新しい詩人の新しい本を、長く愛される名盤になるまで、
見届けたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

ナナロク社
村井光男

 


既存本と取扱本


完売御礼