微苦笑
あたしは 以前 あたしではない 誰かだった ような気がする 埃っぽい 路傍の公園の 午後の日差しが 鍵だ と思う あたしは あたしでいることに 飽きている のかな と言ったら あなたは 微苦笑した ビールの 泡が 消えてゆく
「微苦笑」 谷川俊太郎