性的少年 14 |
喜んだのもつかの間、笑えない空気になっていった。話を聞くと、今、永嶋くんのお父さんとお母さんは仲が悪くて、離婚するかもしれないのだそうだ。お母さんに引き取られて遠くに住んでいるおばあちゃんちで暮らすことになるかもしれないらしい。僕は永嶋くんが転校するのは大歓迎なのに、なんでか悲しい気持ちになった。僕も、お父さんとお母さんがケンカしただけで悲しくなるし不安になる。離婚するなんてことになったら、もうどうしていいかわからない。永嶋くんは学校では楽しく過ごしていたけど、きっと家に帰ると、とっても寂しい思いをしていたんだ。僕とは逆だ。だけど、僕と同じくらい、つらい思いをしていたんだ。
僕は今までの恨みつらみは胸の奥にしまった。「永嶋くん頑張って」「きっと大丈夫だよ」と励ました。ところが永嶋くんは、「お前になにがわかるんだよ!!」と胸ぐらをつかんできて、今にも僕を殴らんばかりの表情と腕の振りかぶり具合で、「お前に俺の気持ちがわかるのかよ!? お父さんとお母さんの仲が良いくせに生意気なことを言ってんじゃねえよっ!!」
そう言い終わるやいなや、永嶋くんの右拳は僕の左の頬をぶん殴った。痛かった。でも、いつもならびびっちゃって泣いちゃったりもしたけど、この時僕はすごく落ち着いていた。このままだと永嶋くんはきっとグレちゃう。早ければ中学に上がる再来年からグレちゃう。永嶋くんは弱い子なんだ。僕は、なんとかしなきゃいけないって思った。僕も男だから、言うべきことを言うべき時に言わなきゃいけないんだ。普段と違い堂々たる振る舞いの僕に、永嶋くんは面食らっていた。
「永嶋くんのお父さんとお母さんが、どんな思いで永嶋くんを作ったかわかる?」
「え?」
「どういう気持ちで、どういうことをして君が生まれてきたかわかるかって聞いてるんだよっ」
見たことのない僕の一面を見て、永嶋くんはまるでそのまま死んだかのようにぴくりとも動かず、生気を失っていた。圧倒されちゃったのかもしれない。
僕は苦しんでいる永嶋くんをなんとか元気にしたくて、一生懸命語った。まず、永嶋くんがどうやって生まれてきたのかを。永嶋くんのお父さんのちんちんが、永嶋くんのお母さんの女版ちんちんと合わさって、永嶋くんの命が芽生えたこと。




















