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性的少年 10

 この物語は漢字が多くて意味がわからないことが多かったんだけど、どうやらちんちんのことを「肉棒」や「男根」などとも言うらしい。反対に女版ちんちんは「花びら」「蜜壺」「貝」などと表現されていた。いろんな呼び方があるもんだ。僕は忘れないようにノートにメモった。棒、蜜、壺という字が難しかったので、「肉棒」と「蜜壺」はたくさん書いて練習した。
  ちんちんの別の呼び方は、なんとなく言わんとしていることがわかるんだけど、女版ちんちんのほうはさっぱりわからない。植物や魚介類で例えられてもいまいち絵が浮かばない。昔、お姉ちゃんやお母さんとお風呂に入ったけど、そんなことなかったしなあ。一体どうなっているんだ、女版ちんちん。お母さんに聞いてみたいけど、こういうのってなんか聞いちゃいけない気がする。お父さんもお母さんの花びらもしくは貝にちんちんを入れているのだから、きっとどういう形をしているか知っているはずだ。でも聞きづらいな。なんなんだろう、この気持ち。お兄ちゃんやお姉ちゃんに聞いてみよう。保健体育のことはふたりのほうが詳しいだろうから。あれ? そういえば、夫婦じゃない人同士でも子作りってやっていいのかなあ。でも、「愛し合う」だったらいいのか。そっか。でもどう違うんだろう? 由香先生いわく、早い人で中学生や、高校生で経験する人もいるらしい。ということはお兄ちゃんやお姉ちゃんも子作りをしているかもしれない。もしかしたらお兄ちゃんとお姉ちゃんがやっているかもしれない。そういうケースもあるのかな? 姉弟で結婚とかできるのかな? わからないことが世の中には多いなあ。これもお兄ちゃんかお姉ちゃんに聞いてみよう。学校の先生が、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言っていたのを思い出した。お姉ちゃんにはなんか聞きづらいので、お兄ちゃんに相談することにした。
  リビングに行き、お母さんに「お兄ちゃんは?」って聞いたら、いま風呂に入ったばかりらしかった。今日はもう遅いので寝よう。僕はおやすみなさいをして二階に戻り、お兄ちゃんの机の引き出しに教科書を戻し、机の上に二冊の参考書を置いて、自分の部屋へと向かった。



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